望む循環

「(あいつは)なまじっか知識があるから、自分の考えに勝ったり負けたりしている。」

司馬遼太郎燃えよ剣』の中で、土方歳三が言った言葉です。

本当に、人間の心理をピシャリとついていると思います。
特に僕の様な、考えすぎる奴の心を。



現在、昴公演『アルジャーノンに花束を』首都圏の演劇観賞会巡演の真っ只中です。
劇中、「誰も彼もくだらん迷路で右往左往してる惨めなネズミそっくりだ」という主人公チャーリー・ゴードンの言葉があります。
僕は毎公演この言葉を喋ります。
僕は演劇をくだらんとは思いませんが、迷路で右往左往してるのは、今の僕を表しているのかも知れません。

…果たして僕らは進歩しているのか?
…迷路の中で、同じ回廊を右往左往しているだけじゃないのか?

これすらも、土方歳三から言わせれば、自分の考えに勝ったり負けたりしている、自分の脳みその中だけでぐるぐる同じところを回っているだけという事になるのでしょう…。

自分の中だけでぐるぐるせず、それを外に、相手に渡していかなくては健康的でない。
…それは時に迷惑かも?
いや。迷惑をかけることを恐がって踏み出さないのがいちばん迷惑だ。